トムフォード フォーメン EDT・SP 50ml

ダイエル・クレイグをジェームズ・ボンドにして、再び人気に火が付いた「007」シリーズ、その2008年の『慰めの報酬』から、ボンド・スーツのデザインを担当することになった「TOM FORD」。グッチ再建のヒーローも、ブランドを去って自身のラインでどうなるかと思われましたが、そこはやはり才人、しっかりと持ってくるところは持ってくる、まだまだ目の離せないアイコンです。

こちらはそんな彼のフレグランス・ラインから、2007年に発売されたメンズ香水です。2007年にとてつもない勢いでユニセックス香水のコレクションを発表し、一躍センセーションを巻き起こしたラインですが、同年発売のこちらも、埋もれずにバツグンの存在感を発揮しております。

厳選されたキリリと尖がったマテリアルを粋にブレンドさせた、アロマティック・シトラス・グリーンの香調をベースにしており、マテリアルも香りも極めて洗練された、大人の男のハイ・スタンダードなアイテムに仕上がっております。

レモン・リーフ・オイル、マンダリン・ゼスト、ベルガモットなどが、刺激的でエナジャイジングなアーヴァン・シトラスをスプラッシュさせるトップから、
バジル、ヴァイオレット・リーブス、ジンジャー、オレンジ・ブロッサム、モッロコ産グレープフルーツ・リーブス、タバコ・リーブス、ブラックペッパーなどが、これもクーリッシュでありながら渋みを効かせたビター・コンテンポラリー・グリーンを沸き立たせるミドルへ。
ラストはアンバー、シダー、パチョリ、ベチバー、オークモス、レザーウッド、シプリオールなどが、メロウでノワールな佇まいのミステリアス・マンリー・スウィートを漂わせ、ホットでしなやかな、極上のセンシュアリティーをアピールしてくれそうです。

プロデュースはエスティ・ローダー。ラストのシプリオールは、「香附子（コウブシ）」という植物から採取される精油で、ムスキー様にアレンジした初の試みの香りということです。タフでワルいけれども、快活でどこかニクめない、そんな魅惑的なバランスが素晴らしい、メンズ香水の傑作です。大人のあなたにぜひお試しいただきたい逸品です。