ロシャス マン EDT・SP 50ml

親元のP＆Gがプレタポルテをクローズしてしまい、以降は完全に香水部門を残すのみとなっている「ROCHAS」。1920年代からパリクチュール・モードを颯爽と駆け抜け、53年に閉鎖されても、眠れる獅子はオリヴィエ・ティスケンスの才気溢れるデザインでプレタポルテとして復活を遂げていただけに、名門のあっけない最後が惜しまれるところです。

こちらはそういうことで完全に残る唯一つの牙城となったフレグランス・ラインから、1999年に発売されたメンズ香水です。外観はかなりモダンな印象ですが、香りのほうはアロマティック・シプレーのダンディーなクラシカル・モードで、そう入ってもラストのコーヒーの現代的なニュアンスが、アーヴァン・カフェ気分の粋なソフィスティケーションを醸し出し、フレキシブルな大人のためのアイテムに仕上げられております。

ラベンダー、ベルガモット、グリーン・ノートなどが、スッキリと爽快でナチュラルなシトラス＆グリーンを香り立たせるトップから、シダーやジャスミンなどが、テンダーであか抜けたマスキュリン・フローラルを沸き立たせるミドルへ。ラストはアンバー、コーヒー・モカ、サンダルウッド、パチョリなどが、ビター・スウィートの男らしいジェントルな香りを浮かび上がらせ、しなやかに快活に都会を生きる、ハイポジションなあなたの男性的セダクティヴィティーを柔らかく演出してくれそうです。

調香はジャガーの「ジャガー・ウーマン」、ケンゾーの「ケンゾー・エアー」、グッチの「エンヴィ」その他数多くの秀作を手掛けているモーリス・ルーセル。プロデュースはP＆G傘下の「COSMOPOLITAN COSMETICS」です。なかなかシックで心地良いアロマ感の香りで、完成度は高いと思います。洗練された若い男性からミドルまで、幅広くお使いいただけるのではないでしょうか。

シンプルで大人っぽいカジュアル・ウェアかスーツ・スタイルに合わせてまとうとGOOD。フロスティーなガラスの、インテリアにも良さそうなボトルも優れたデザインですね。噴出口は底部を開けると出てくる仕組みです。