アザロ シルバーブラック プールオム EDT・SP 30ml

1962年にロリス・アザロによって立ち上げられたフランスのクチュール・ブランド「AZZARO」。イブニング・ドレスを中心として名を馳せましたが、1975年から香水を展開するとそちらの人気が圧倒的となり、しばらくウェアは停滞しておりました。しかし2003年にロリスの死を受けて後を継いだヴァネッサ・セワードの手によって、再びウェアが脚光を浴びております。

さて、こちらはそんなブランドの中核フレグランス・ラインから、2005年に発売されたメンズ香水です。アメリカとカナダでは、意味は分かりませんが「Onyx」と表記されるところもあるようです。アロマティック・ウッディーの香調をベースにしており、キリッと尖がったシトラス・グリーンと、柔らかいウッディーのマッチングによって、男の力強さと優しさといった内面の二面性を表すというコンセプトどおりの一品に仕上げられております。

グリーン・アップル、ベルガモット、ライムなどが、スッキリとシャープなシトラス・スプラッシュを奏でるトップから、コリアンダー、カルダモン、キャラウェイ、ジュニパー、ワイルド・フラワーなどが、屹立としたマスキュリニティー溢れるスパイスとオープンなフローラルを溶け合わせるミドルへ。ラストはベチバー、サイプレス、パチョリ、ムスク、シダー、アンバリー・ノートなどが、しっかりと男の包容力をアピールするようなアロマティックなウッディー・スウィートを沸き立たせ、シルバー且つブラッキーなあなたのアーヴァン・ソフィスティケーションを、これでもかとさりげなくアピールしてくれそうです。

調香はテュエリー・ミュグレーの「エンジェル」やジャン＝シャルル・ブロッソーの「オンブル・ローズ・オリジナル」、ケンゾーの「カセント・ヴュー」など数々の秀作を手掛けているフランソワ・キャロン。プロデュースは立ち上げから一貫してクラランスです。オーソドックな香調ながら、時折見せるフレキシヴィリティー溢れるスウィートのアクセントが印象的で、とても完成度の高いアイテムだと思います。メタリック・シルバーとブラック・カラーのボトルも、カッチリとしていて男らしいです。