仕入れとは何か?仕訳の4つの方法と具体例を解説

NETSEA編集部(仕入れ・販促情報担当)

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仕入れとは ノウハウ
ノウハウ

物販やネットショップを成功させるには、仕入れがとても大切です。
仕入れとは、企業が商品を販売したり、製品を作るために、他の企業から商品や原材料を購入することを指します。

仕事も安定してきたし、そろそろ副業にもチャレンジしてみようかな…

と、考えている方。
仕入れについて知識を深め、適切な仕入れや管理を行う事で、事務作業時間の短縮やさらなる売上の向上につなげていきましょう。

今回はそもそも仕入れとは何か、売り上げ金の管理や計上、仕入れ額の控除などについて分かりやすく説明していきます。 それではさっそく見ていきましょう。

仕入れとは

仕入れとは、企業が商品を販売したり、製品を作るために、他の企業から商品や原材料を購入することです。
具体例で見ていきましょう。

駄菓子屋さんのお客さんは、お菓子を買いに来ますよね。
このお菓子は、駄菓子屋さん自身が作っているわけではなく、別の会社から仕入れて売っています。

自動車工場では、車を組み立てるために、タイヤやエンジンなど、たくさんの部品が必要です。

では、なぜ仕入れが必要なのでしょうか? その理由は主に2つあります。

  1. 自分で全てを作れないから:全ての商品を自社で作るのは、時間やコストがかかりすぎるため、効率的ではありません。
  2. 多様な商品を取り扱うため:お客様のニーズに応えるためには、様々な商品を取り扱う必要があります。

仕入れの4つの計上基準

仕入れの計上基準とは、仕入れた商品をいつ会計の記録に反映させるかを決める基準のことです。

自分の状況に合わせて、4つの計上基準から適切なものを選択します。

4つの計上基準

  • 出荷基準:仕入れ先が商品を出荷した時点で仕入を計上します。 商品がまだ自社に到着していなくても、仕入れとして認識する最も早い基準です。
  • 入荷基準:自社が商品を受入れた時点で仕入を計上します。 商品が実際に手元に届いたことを確認してから仕入を計上するため、より現実的な基準と言えます。
  • 検収基準:入荷した商品を検品し、数量や品質に問題がないことを確認してから仕入を計上します。 商品の品質や数量に問題がないことを確認してから仕入を計上するため、より厳密な基準です。
  • 支払基準:仕入れ代金を支払った時点で仕入を計上します。 現金が実際に支払われたことを確認してから仕入を計上するため、現金主義の考え方に近い基準です。

どの基準を選ぶべきか?

どの基準を選ぶかは、業種や取引条件、経営状況などによって異なります。

それぞれの基準のメリットについてまとめました。

  • 出荷基準:在庫回転率が高く、商品がすぐに売れる見込みがある場合に適しています。
  • 入荷基準:在庫管理を厳密に行いたい場合や、商品到着後に検品を行いたい場合に適しています。
  • 検収基準:製品の品質管理が重要な場合や、不良品のリスクを軽減したい場合に適しています。
  • 支払基準:現金の支出を厳しく管理したい場合に適しています。

仕入れの計上基準は、会計処理に大きな影響を与えるため、適切な基準を選択することが重要です。

それぞれの基準にはメリットとデメリットがあるので、自分状況に合った基準を選ぶようにしましょう。

仕入れを仕訳する4つの方法

仕入れの仕訳(会計の言葉で記録すること)の方法には、大きく分けて4つの方法があります。

  • 三分法
  • 分記法
  • 五分法
  • 総記法

そもそも、仕訳方法のメリットとは何でしょうか?

上記の仕分けをすることで、

  • 商品ごとの数量と金額の把握などの正確な在庫管理や棚卸作業の効率化にも繋がります。
  • どの商品をどれだけ販売したのか、その商品の原価がいくらだったのかを把握することで、売上原価(商品を売るために使ったお金)を正確に計算できます。
  • 仕分け結果は、最終的に貸借対照表(保有している資産(財産)と負債(借金)の状況を一覧で示すことで、財務的な安定性や健全性を評価するもの)や損益計算書(ある一定期間(通常は1年間)における収益と費用をまとめたもので、その期間にどれだけの利益を得たかを示すもの)などの財務諸表(企業の成績表)に反映されます。
  • 仕分けが的確に行われていれば、税務申告に必要な資料を正確に作成することができます。

これから順を追って4つの仕分けについて説明をしていきます。

三分法

特徴: 仕入、売上、繰越商品の3つの勘定科目(会社の経理帳簿における「口座」のような役割)を使い、仕訳を行います。

メリット: シンプルで分かりやすく、多くの企業で採用されています。

デメリット: 決算(企業が一定期間の期間の収益と費用を計算し、最終的な利益または損失を確定する手続きのこと)時に繰越商品(会計期間の最終日に手元に残った売れ残りの商品)の評価が必要となり、手間がかかる場合があります。

分記法

特徴: 商品と商品売買益(商品を売って儲かった分)の2つの勘定科目を使い、仕訳を行います。

メリット: 売上ごとの利益が分かりやすく、決算整理が不要です。

デメリット: 仕入原価の把握が難しく、在庫評価(決算時にこれらの在庫をどの金額で帳簿に計上するかを決定する作業)が複雑になる場合があります。

五分法

特徴: 仕入、売上、売上原価、繰越商品、商品売買益の5つの勘定科目を使い、仕訳を行います。

メリット: 各要素を詳細に把握でき、経営分析に役立ちます。

デメリット: 仕訳が複雑になり、手間がかかります。

総記法

特徴: 商品という一つの勘定科目のみで仕訳を行います。

メリット: 仕訳が簡単で、小規模な企業に適しています。

デメリット: 各要素の把握が難しく、経営分析(企業の経営状況を客観的に評価し、改善策を見つけるための分析のこと)に不向きです。

支払い方法別の仕入れの仕訳例

仕入れの仕訳は、支払い方法によって異なり、借方に仕入れた商品を、貸方に支払方法を記入するのが基本です。

借方とは、 勘定科目の左側(左欄)に記入する部分です。

仕入れた商品が増えたことを示し、一般的には「商品」勘定科目を使用します。

一方、貸方とは、 勘定科目の右側(右欄)に記入する部分です。

支払方法に応じて、現金、銀行、売掛金、手形など、様々な勘定科目を使用します。

以下に仕入れの仕分けに重要となる支払い方法について説明していきます。

現金払い

現金で商品を購入した場合の仕訳は、最もシンプルです。

【例】

勘定科目摘要借方貸方
商品現金購入100,000
現金100,000

商品: 仕入れた商品の増加を記録します。

現金: 現金が減ったことを記録します。

請求書払い(売掛)

請求書を受け取り、後日支払う場合の仕訳です。

【例】

勘定科目摘要借方貸方
商品売掛購入100,000
売掛金100,000

商品: 仕入れた商品の増加を記録します。

売掛金: まだ支払っていない金額を負債として記録します。

現金振込

銀行口座から振り込んで支払う場合の仕訳です。

【例】

勘定科目摘要借方貸方
商品振込購入100,000
銀行100,000

商品: 仕入れた商品の増加を記録します。

銀行: 銀行口座の残高が減ったことを記録します。

クレジットカード決済

クレジットカードで支払う場合の仕訳は、少し複雑になります。

一般的には以下の2つの方法があります。

方法1:買掛金として計上する場合

【例】

勘定科目摘要借方貸方
商品クレジットカード購入100,000
買掛金100,000

商品: 仕入れた商品の増加を記録します。

買掛金: クレジットカード会社への支払いを負債として記録します。

方法2:支払時に費用として計上する場合

【例】

勘定科目摘要借方貸方
商品クレジットカード購入100,000
クレジットカード費用100,000

商品: 仕入れた商品の増加を記録します。

クレジットカード費用: クレジットカード利用による費用を計上します。

どちらの方法を選ぶかは、企業の会計処理の方針によって異なります。

仕入税額控除の仕組み

仕入税額控除は、事業者が商品やサービスを仕入れる際に支払った消費税額を、自らが売り上げた商品やサービスにかかる消費税額から差し引くことができる制度です。

仕入税額控除の対象となる取引は、事業活動に必要なさまざまなものに対して行われます。

以下に主な例を挙げます。

物品の購入

商品: 販売するための商品(衣料品、食品、家電製品など)

原材料: 製品を製造するための原材料(鉄鋼、プラスチック、木材など)

包装資材: 商品を包装するための資材(段ボール、包装紙、緩衝材など)

燃料: 車両や機械を動かすための燃料(ガソリン、軽油など)

事務用品: 事務作業に必要な文具、消耗品(コピー用紙、ペン、ファイルなど)

備品: 事務机、椅子、パソコンなどの備品

サービスの利用

外注費: 外部に委託した製造、加工、修理などの費用

運賃: 商品の輸送にかかる費用

通信費: 電話代、インターネット利用料など

水道光熱費: 電気代、ガス代、水道代など

広告宣伝費: 広告費、宣伝費など

賃借料: 事務所や工場などの賃借料

その他

修繕費: 機械設備などの修理費用

研修費: 従業員の研修費用

交際費: 取引先との交際費(一定の制限あり)

仕入税額控除の対象とならないもの

非課税取引: 非課税売上にかかる仕入れ

私的消費: 代表者の私的消費のための仕入れ

固定資産の取得: 土地、建物など(ただし、減価償却資産は一部控除可能)

こちらのページも参考にしてください。

参考:https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/buying/

インボイス制度における仕入税額控除の適用要件

2023年10月から開始されたインボイス制度では、仕入税額控除を受けるための要件が大きく変わりました。

従来の仕訳と帳簿の保存に加え、『適格請求書(インボイス)』の発行・保存が必須となりました。

仕入税額控除の適用要件

適格請求書の発行・保存 適格請求書: 一定の記載事項が記載された請求書で、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)が交付する必要があります。

保存: 適格請求書を保存することで、仕入れにかかる消費税額を控除できる根拠となります。

帳簿の保存

取引内容の記録: 仕入れの取引内容を正確に記録した帳簿を作成・保存する必要があります。

記載事項: 適格請求書に記載されている内容と一致するよう、取引先、取引日、品名、数量、金額などを詳細に記録します。

課税売上高

課税売上高があること: 仕入税額控除を受けるためには、課税売上高(消費税が課される取引の売上金額の合計)があることが前提となります。

適格請求書とは?

適格請求書は、インボイス発行事業者が交付する請求書で、以下の情報が記載されている必要があります。

  • 発行事業者の登録番号: 国税庁に登録された10桁の番号
  • 取得事業者の登録番号: 仕入先の登録番号(任意)
  • 取引日
  • 品名、数量、金額
  • 税率
  • 消費税額

消費税の適正な申告・納税を促し、税収の安定化を図ることがインボイス制度の目的となっています。

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出典:NETSEA

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バイヤー登録が必要ですが、月額料は無料です。
ドロップシッピング対応の商品も多く、クーポンの発行や定期的なセールを利用して、卸価格よりさらにお得に仕入れが可能です。

支払い方法もクレジットカードが利用でき、請求書の発行も行っているため、仕分けの際に便利です。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は仕入れについて詳しく解説しました。

物販やネットショップを成功させるには、仕入れがとても大切です。
仕入れについて知識を深めることで、利益向上につながります。

これから副業への一歩を踏み出す際に、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。

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