今や、お買い物はオンラインが当たり前の時代。
洋服もコスメも、ちょっとした雑貨も、スマホひとつで簡単に手に入るようになりました。
だからこそ、お店を運営する側も、ECサイトを活用しない手はありません。
「自分のお店を持ちたい」「もっと多くの人に商品を届けたい」そんな思いを叶えるのがECサイトの魅力。
今、EC市場は右肩上がりに拡大しており、オンラインショップを始めるチャンスが広がっています。
この記事では、初心者が知っておくべきEC運営の基本や、スムーズにお店を成長させるポイントをわかりやすくご紹介します。
オンライン販売の第一歩を踏み出してみましょう。
ECサイト運営のメリットと特徴

ECサイトは、実店舗と比べて低コストで運営できるのが大きな魅力です。
店舗の家賃や人件費を削減できるため、小規模でもスタートしやすく、地域に縛られず全国・海外の顧客にアプローチできるのも特徴です。

地方の小さな雑貨店でも、ECサイトがあれば全国のファンに届けられます。
また、24時間365日営業が可能なため、夜間や休日でも注文が入るのが強みです。
最近ではEC市場が拡大しており、2023年の国内EC市場規模は約22兆円に達し、年々成長を続けています。
未経験から始められる魅力
ECサイト運営は、初期投資が少なく未経験者でも始めやすいのが特徴です。
無料のECサイト作成ツールやSNSを活用すれば、大きな資金がなくても簡単にスタートできます。
また、EC運営に関する情報はSNS・youtube動画・オンライン講座など豊富にあり、知識やスキルがなくても学習しながら取り組める点も魅力です。
1.アクセサリー販売(30代女性)
ハンドメイド作品をInstagramとECサイトで販売
SNS発信と口コミで1年後に月商50万円を達成
2.地方の特産品EC(40代夫婦)
地元の名産品をネット販売し、ふるさと納税と連携
ECサイト開設から半年で売上3倍に
3.セレクトショップ(20代女性)
海外のファッションアイテムを仕入れ、ECサイトで展開
独自のブランディングでファンを獲得
※ご紹介した内容は、過去の事例や傾向から想定された一例です。
すべての方に同様の成果が出るわけではありませんので、あらかじめご了承ください。
将来性と年収の可能性
EC市場は急成長を続けており、スマホ利用の拡大やキャッシュレス化の進展により、今後もさらなる成長が期待されています。
そんな中、ECサイトを持つことは、個人や新規参入者にとっても大きなチャンスをつかめる魅力的な選択肢となります。
また、ECサイトを持つだけでなく、関連する業種も増えており、その年収は近年非常に伸びてきています。
EC関連職種別の平均年収(2024年)
職種 | 年収範囲 |
---|---|
ECサイト運営者(個人) | 300万~1000万円 |
ECマーケター | 400万~800万円 |
カスタマーサポート | 300万~500万円 |
バックエンド管理者 | 350万~700万円 |
ECサイトコンサルタント | 400万~1000万円 |
経験を積むと独立や法人化も可能で、年収1000万円以上を狙うことも夢ではありません。
ECサイト運営の基本業務

ECサイト運営とは、インターネット上で商品を紹介し、注文を受けて販売するビジネスの事。
お客さまはサイトを見ながら好きな商品を選び、注文・支払いをして、自宅まで届けてもらえます。
ECサイトの運営には、大きく分けて「フロント業務」と「バックエンド業務」の2つがあります。
この2つの業務は役割が異なるため、それぞれの役割を理解して、スムーズにお店を運営していきましょう。
・フロント業務(マーケティング)
主にお客様がECサイトを認知して、商品を購入する流れの部分を担当する業務。
具体的には下記のような内容があります。
商品企画・仕入れ
サイト制作・デザイン
マーケティング・集客
・バックエンド業務(運営)
主に商品が購入されてから発送し、アフターフォローをするまでの流れを担当する業務。
具体的には下記のような内容があります。
在庫管理
受注管理
梱包・発送
カスタマーサポート
どちらの業務もECサイト運営において非常に大切な部分となるため、しっかり理解しておきましょう。
売上に直結するフロント業務
フロント業務は、お客さまにお店を知ってもらい、商品を購入してもらうための仕事です。
いわば、お店の「顔」となる部分。
具体的には、
✔ 商品の企画や仕入れ
✔ 商品ページの作成・更新
✔ お店のPR(SNS・広告など)
✔ 販売データの分析
ECサイトは作れば勝手に売れていくわけではありません。
可能性は広がっていますが、ライバルも非常に多いのが現状です。
売上を伸ばすための工夫、集客、販売戦略など多方面から様々な事を考えていく必要があります。
業務 | KPI | 成功のポイント |
---|---|---|
商品企画 | 人気商品の販売数 | トレンドを意識し、顧客のニーズをリサーチ |
マーケティング | サイト訪問者数・CVR | SNSや広告を活用して集客 |
プロモーション | メルマガ開封率・再購入率 | クーポン配布や限定セールでリピーター確保 |
効率化が重要なバックエンド業務
バックエンド業務は、バックエンド業務は、主に顧客の商品購入後からアフターフォローをするまでの流れを担当し、スムーズな運営を支える重要な役割を果たします。
具体的には、
✔ 注文の管理
✔ 在庫の確認・管理
✔ 商品の梱包・発送
✔ お客さまへのアフターフォロー
売上を上げていくためにはリピーターの獲得が必須となります。
そのために受発注業務を行う『バックエンド業務』では丁寧かつスピード感を持って対応する必要があります。
小さなECサイトであれば個人での対応もできると思いますが、規模が大きくなっていくと、どうしてもミスが発生したり受発注に追われフロント業務の時間が取れなくなってきます。
そのため、受注業務についてはツールやシステムを導入する事も検討していきましょう。
業務効率化におすすめの、ツールをご紹介します。
・在庫管理システム(例:ネクストエンジン、タテンポガイド) → 自動で在庫更新
・発送管理ツール(例:Ship&Co、LOGILESS) → 受注~出荷までを自動化
・チャットボット(例:Zendesk、チャットプラス) → 問い合わせ対応を自動化

ECサイト構築・運営の費用相場

ECサイトの構築にはさまざまな方法があり、選択次第で費用も大きく変わります。
構築方式 | 特徴 | 費用相場 |
---|---|---|
ASP型 | 低コストでスピーディに運営開始 | 月額1万円~10万円 |
オープンソース型 | 自由度が高いが開発知識が必要 | 50万円~200万円 |
パッケージ型 | 機能充実&サポートあり | 100万円~500万円 |
スクラッチ開発 | フルオーダーメイドで独自性抜群 | 500万円以上 |
例えば、年商1000万円以下ならASP型で手軽にスタートし、5000万円以上を目指すなら、パッケージ型やスクラッチ開発で本格的なサイト作りがおすすめです。
ECサイト構築については過去記事を参照してください。
初期投資の具体的な内訳
ECサイト開設には、いくつかの費用が発生してきます。
ECサイトを解説する際に必要となってくる費用の平均的な相場を項目別にご紹介します。
項目 | 費用目安 |
---|---|
システム構築費 | 10万円~500万円 |
商品写真撮影費 | 5万円~30万円 |
コンテンツ制作費 | 10万円~50万円 |
広告・プロモーション費 | 5万円~100万円 |
在庫仕入れ費 | 10万円~500万円 |
「低予算ならASP型+自前で撮影」「本格運営ならパッケージ型+プロの写真撮影」など、予算に応じた戦略が重要です。
月額運営コストの目安
ECサイトは開設後も運営コストがかかります。
マーケティング施策により変わって来ますが、事前にどのくらい費用がかかるかを把握しておきましょう。
項目 | 費用目安 |
---|---|
システム利用料 | 月1万円~10万円 |
広告宣伝費 | 月5万円~100万円 |
人件費 | 月10万円~50万円 |
在庫管理費 | 月5万円~20万円 |
例えば「売上100万円以下なら運営コスト月10万円以内」に抑えるのが理想。
規模に応じた適正コストを意識する事が大切です。
ECサイト運営に必要なスキル
EC運営では主に下記のようなスキルが求められます。
・WEBマーケティングスキル(SEO、広告運用、SNS活用)
・デザインスキル(バナー作成、サイト更新)
・商品管理スキル(在庫管理、仕入れ交渉)
・カスタマーサポートスキル(顧客対応、クレーム処理)
特に「デジタルマーケティング」「データ分析」は即戦力になるスキルです。
それぞれ専門性が高いスキルとなっているため、人材がいるようであれば振り分けて担当するようにすると良いです。
ECサイトの売上アップ方法
「ECサイトは作っただけでは売れない」── では、どうすれば売上を伸ばせるのか?
売上を上げていくコツはいくつかありますが、その中でも重要となる3つをご紹介します。
①商品や店舗のコンセプトを明確化する:競合他社に負けないブランド力を育成
②SNS活用:InstagramやTikTokで拡散
③プロモーション:クーポン発行や限定セールで集客
特にSNSの影響力は絶大です。
たとえば、Instagramのリール動画でバズれば、一気にアクセスが増える可能性もあります。
SNSはユーザーをただ集めるだけではなく、購入までの導線もしっかりと計画して設置しておきましょう。
集客施策
ECサイトの集客は「攻め」と「待ち」の両方が重要。
・リスティング広告(Google、Yahoo広告で検索連動)
・SNS広告(Instagram、Facebookでターゲットにアプローチ)
・インフルエンサー施策(人気ユーザーにPR依頼)
商品ジャンルによって集客の方法は異なってきます。

効果的な集客方法を検討し、いくつか広告や施策を打ってみて、効果があるものを継続してみるのも良いです。
リピート率向上施策
リピート率向上が大切な理由は、新規顧客を獲得するよりもコストが低く、安定した売上につながるからです。
一般的に、新規顧客を獲得するコストは既存顧客に再購入してもらうコストの5倍かかると言われています。
「また買いたい!」と思わせる施策が重要になってきます。
・メルマガ・LINE配信:クーポンや新商品情報で再訪を促す
・ポイント制度の導入:リピート購入のモチベーションアップ
・パーソナライズドマーケティング:顧客の購入履歴を活用し、最適な提案を行う

コスメECサイトで、購入したスキンケア商品の使用タイミングに合わせて「そろそろリピートの時期ですよ」とLINEでクーポン付きメッセージを配信したところ、再購入率が40%アップしたという事例もあります。
ECサイト運営の課題と解決策
EC運営では、さまざまな課題が出てきます。
たとえば、「在庫管理が追いつかない!」なら、自動連携ツールを導入するだけで作業時間を大幅に短縮できます。
問題点が出てきたら解決できる方法を探し、改善していきましょう。
売上拡大の具体策
ECサイトを成功させるには、継続的な改善と戦略的な施策が欠かせません。
売上や集客が伸び悩んでいる場合、次の点を見直してみましょう。
成果が出るまでの時間を考慮する
ECサイトは立ち上げ直後からすぐに成果が出るものではありません。
広告やSEO対策などの施策は、効果が表れるまでに時間がかかります。
そのため、リサーチやA/Bテストを活用しながら、長期的な視点で運営することが大切です。
最新トレンドを取り入れ、進化し続ける
EC業界はトレンドの移り変わりが早く、成功し続けるには変化に対応することが重要です。
例えば、SNSの活用方法や決済手段の多様化など、最新の市場動向を把握しながら、自社の強みを活かした戦略を取り入れましょう。
訪問者数と購入率(CVR)を向上させる
売上向上には、集客と購入率アップが必要です。
SEO対策や広告を活用してサイトへの流入を増やし、検索機能の向上や分かりやすい商品ページの作成などで、購入しやすい環境を整えましょう。
運営代行やコンサルティングを活用する
運営に不安がある場合は、EC運営代行やコンサルティングサービスを利用するのも一つの方法です。専門家のアドバイスを受けながら、効率的に売上向上を目指しましょう。
まとめ
ECサイトは、まるで自分のお店をオンラインに持つようなワクワク感があります。
低コストで始められるのはもちろん、時間や場所に縛られずに運営できるのが魅力。
ちょっとした工夫やマーケティングのコツを押さえれば、売上を伸ばしていくことも十分可能です。
以下にポイントをまとめました。
・初期費用や運営コストを把握し、自社に最適な方法を選択することが重要。
・SEO対策、SNS活用、広告運用など、売上拡大のための施策を実施する。
・リピーター獲得のために、顧客との関係性を深め、信頼を得る事が大切。
これらに注意しながら実践することで、安定したECサイト運営が可能となり、売上の拡大へと繋がります。
「私にもできるかな?」と不安に思うかもしれませんが、最初は小さく始めて、少しずつ成長させていけば大丈夫です。

自分のペースで、お客様とのつながりを楽しみながら、素敵なオンラインショップを育てていってくださいね。
